ル・アーヴル・アトレティック・クルブは、フランス北西部ノルマンディー地方のル・アーヴルを本拠地とするクラブです。その起源は1884年、同地に暮らすイギリス人居住者たちが設立したスポーツクラブにあり、サッカー部門として正式に発足したのは1894年のことです。イギリスとの深いつながりはクラブの文化に色濃く刻まれており、チームカラーの空色(シエル)と紺色(マリーヌ)は、創設者たちの母校であるオックスフォード大学とケンブリッジ大学の色に由来します。クラブ歌のメロディーには「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」が用いられており、フランスのクラブとして異色の文化的背景を持っています。
競技面では、1899年にフランス初の全国選手権(USFSA主催)においてパリ以外のクラブとして初めて優勝を果たし、翌1900年にも連覇を達成しました。この2度の初期タイトルはクラブの誇りとして今も語り継がれています。現行のリーグ・アン制度下ではまだ優勝経験がないものの、リーグ・ドゥ(2部)では史上最多となる6度の優勝を記録しており、2022–23シーズンにその6度目を達成して1部復帰を果たしました。
最大の栄誉は1959年のクープ・ドゥ・フランス制覇とトロフェ・デ・シャンピオン獲得であり、同年にリーグ・ドゥ優勝も重なる充実したシーズンでした。またアカデミーの育成力も国内外で高く評価されており、ポール・ポグバ、リヤド・マフレズ、ディミトリ・パイェらを輩出したことで知られています。クラブ最大のライバルはSMカーンとの「ダービー・ノルマン」であり、北部のRCランスとの一戦もクラブのアイデンティティを語るうえで欠かせない伝統の対決です。

