パプアニューギニアにおけるラグビーリーグは単なるスポーツを超え、国民的アイデンティティの核となってきた。800以上の言語と多様な民族が共存するこの国で、ラグビーリーグへの情熱は部族や地域の垣根を越えて人々を結びつけてきた。オーストラリアのNRL(ナショナル・ラグビーリーグ)への参入を目指す動きは2008年、マイケル・ソマレ首相(当時)が公式に名乗りを上げたことに始まる。
2014年には、PNGハンターズがオーストラリアのクイーンズランドカップ(州レベルのリーグ戦)に参入し、パプアニューギニア出身選手たちに高水準の競技環境への道が開かれた。同チームは2017年にクイーンズランドカップ優勝を果たし、PNG国内の競技水準の高さと本格参入への意欲を世界に示した。
転機は2024年12月12日に訪れた。オーストラリアラグビーリーグ委員会(ARLC)が、2028年シーズンからPNGを拠点とするNLRフランチャイズの参入を正式発表したのだ。この発表と同時に、オーストラリア政府からの6億オーストラリアドルの支援パッケージも明らかになり、クラブ運営のみならず、パプアニューギニアおよび太平洋諸島全域における草の根の普及活動にも充てられることが決まった。
2025年10月12日、ジェームズ・マラペ首相がチーム名を「PNGチーフス」と発表した。「クロコダイルズ」「パイソンズ」との三択による国民投票の結果として選ばれたこの名には、「チーフ(首長)」という言葉が男女を問わず指導者を意味するというパプアニューギニア独自の文化的意義が込められている。本拠地はポートモレスビーのサントス・ナショナル・フットボール・スタジアムで、2028年の開幕に向けて収容人数2万3000〜2万5000人規模に改修される予定だ。
