ピサ・スポルティング・クラブは1909年、斜塔と中世の海洋共和国としての歴史で知られるトスカーナ州ピサで創設された。クラブの歩みは昇格と降格、そして経営難による解散と再興の繰り返しであり、そのしぶとい復活劇こそが、ネラッズーリ(黒と青のストライプ)を纏うこのクラブの本質を表している。
クラブ最大の黄金期は1980年代、ロメオ・アンコネターニ会長のもとで訪れた。アンコネターニはクラブをセリエAへと導いた立役者であり、ホームスタジアム「アレーナ・ガリバルディ」は現在も彼の名を冠している。この時代にはデンマーク代表クラウス・ベルクグレーンが中心選手として活躍し、後にディエゴ・シメオネやヘンリク・ラルセン、ミケーレ・パドヴァーノらも在籍した。国際タイトルとしては1986年と1988年にミトローパ・カップを2度制覇しており、これがクラブ史上最大の国際舞台での実績となっている。1990-91シーズンにはセリエAで一時首位に立つ場面もあったが、シーズン終盤に失速し降格。以降、財政難が深刻化した。
1994年にクラブは事実上崩壊して再建を余儀なくされ、2009年には2度目の除名処分を受け、セリエDからの再スタートを強いられた。「A.C.ピサ1909」として再出発してからは着実に昇格を重ね、2019年にセリエB復帰、2021年にはクラブ名をピサ・スポルティング・クラブに戻した。
2024-25シーズンにはフィリッポ・インザーギ監督のもとでセリエB準優勝を果たし、34年ぶりのセリエA昇格を実現。宿敵リヴォルノとの地域ライバル関係と、下部リーグ時代にも途切れなかったサポーターの情熱が、クラブの誇りを支え続けている。

