ACFフィオレンティーナは1926年8月29日、フィレンツェにて地元のリベルタスとクラブ・スポルティーヴォ・フィレンツェが合併し、ルイジ・リドルフィ侯爵の主導で創設された。1929年に採用された独特なパープル(ヴィオラ)のユニフォームは、イタリアサッカー界では異彩を放つ存在で、クラブの愛称「ラ・ヴィオラ」の由来となった。1930年代からスタディオ・アルテミオ・フランキを本拠地としている。
1955-56シーズン、1968-69シーズンとセリエAを2度制覇。1956年のスクデットはフルヴィオ・ベルナルディーニ監督のもと、ジュリアーノ・サルティ、セルジオ・チェルヴァート、ミゲル・モントゥオーリらの活躍で達成された。1960-61年のUEFAカップウィナーズカップ制覇は、イタリアのクラブとして史上初の欧州タイトル獲得という快挙である。1990年代にはガブリエル・バティストゥータ、ルイ・コスタ、シュテファン・エフェンベルク、ゴールキーパーのフランチェスコ・トルドらを擁してヴィオラ黄金期を築いた。バティストゥータがマークした207得点は今もクラブ最多得点記録である。
2002年の財務破綻によりクラブは倒産し、セリエC2への強制降格を余儀なくされた。デッラ・ヴァッレ家のもとで4部からのリビルドを経て、2004年にセリエA復帰を果たす。2019年にアメリカ人実業家ロッコ・コミッソが買収し、2022-23、2023-24シーズンと2年連続でUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ決勝に進出した(いずれも惜敗)。フィレンツェの百合の紋章と紫のアイデンティティは欧州サッカー界でも独特の存在感を放ち、ユヴェントスとの宿命のライバル関係はクラブを象徴する一戦である。

