セルゲイ・ミリンコヴィッチ=サヴィッチは1995年2月27日、スペイン・レリダでセルビア人家族のもとに生まれた。スペインとセルビアを行き来しながら育ち、FCヴォイヴォディナとHSKゲンクの育成組織を経て、2015年に約700万ユーロでローマのラツィオへ加入。その移籍金は数年後に極めて格安だったと証明されることになる。
ラツィオでは2010年代後半にセリエA屈指の完成型ミッドフィールダーへと成長した。身長191センチで一流のヘディング力を持ちながら守備的カバレッジと創造的パスの両面で際立つ能力を誇り、中盤から試合を支配できる数少ない選手の一人だった。コッパ・イタリアを2度制覇し、セリエA年間最優秀MFを複数回受賞。マンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマン、レアル・マドリードをはじめ有力クラブからの関心が続いたが、2023年まで移籍せずラツィオに留まり続けたことは同クラブ現代史における忠誠の象徴となった。
2023年8月、契約満了後にサウジアラビアのアル・ヒラルへ約4000万ユーロで移籍。ネイマール、ルベン・ネヴェス、ミトロヴィッチらとともにサウジ・プロリーグへ向かった選手の波の一人となった。移籍初年度にリーグ優勝を経験し、ボックス・トゥ・ボックスのスタイルをリーグの要求に合わせながらも得点・アシスト両面で存在感を示した。
セルビア代表には2015年デビュー後、すぐに中盤の絶対的エンジンとなった。2018年・2022年W杯出場を牽引し、EURO 2024にも主力として参加。サイズ、フィジカル、技術の三拍子が揃った稀有な存在として、2017年から2022年にかけては世界で最も注目されたミッドフィールダーの一人だった。
左利きのディープライイング・プレイメーカーでありながらアドバンスドな8番としても機能する。空中戦でDFを制してセットプレーから得点を狙いつつ、着地後に精度の高いロングパスを通す一連の動作は、この選手ならではの肉体×技術の複合プロフィールを体現している。
